猛獣の飼い方１０の基本 1

ちょいと前に書いてログにおいてあってまだページに載せていないもの。をさらしてみる。



「ねぇ、起きてる？」
薄暗い部屋に問い掛ける。
返事は、ない。
カーテンの裾から漏れる明かりは既に朝のものではない。
ロフトへの階段を上り、こんもりと盛り上がったベッドに掌を置く。
「せーんせー、志魔村響さーん、昼ですよー？…ったく、真夜中に『採点地獄で泣きそう〜』とか言うから助けにきたのに…」
ベッドを離れて机に行くと、既に採点されたテストの山が積んである。
「終わってるし…」
眠気覚ましにメールを送ってくるのはやめてほしい。
午前四時半なんて寝ているに決まってる。
布団の隙間から手をいれ、手当たり次第にぶつかった場所をくすぐるなり叩くなりして少しいたずらしてやろう。
普段遊ばれてる分少し仕返ししてやる。

ふわふわした布団に手をいれると、脇腹辺りに手が当たった。

くすぐってやろう…
にんまり笑って指を動かす…

「！！！！」

その指は空を掻き、手首には大きな、ごつごつした感触…

「な、ちょっと！」

恐ろしい勢いで引っ張りこまれた布団の中には、
紅い瞳を光らせて微笑むしなやかな獣がいた…



１、あるていどのきけんをかくごしましょう

…油断は禁物…ってね。


リライト
面白いお題が沢山あって目移りします。
次回をお楽しみに。久々にあの二人が出てきますよ。